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第167話

しまった、自分がやりすぎたのか?

もっと落ち着いていればよかったのに。弥生さんが妊娠していて、社長が他の女性とまだ関係をもっていることを知った時、理優はただ可愛がっていて、彼女を助けようとして、他のことは考えていなかった。

「うん?」

向こうが自分の視線を避けるのを見て、弥生の心は少し沈んだ。本当に聞かれたのか?

理優は普段臆病だけど、機転がそれなりにきいている。

不審だと感じた途端、すぐに反応した。

「実は、昨夜のことなんです」理優は恥ずかしそうに頭を撫でながら言った。「もし私がいなければ、田中さんにそんなことを言われなかったんです。謝りたいんです」

彼女がそう言うと、弥生さんの顔色はやっと少し和らげた。

昨夜のことだったら、それは理解できる。

そう思えば、弥生さんは軽く笑って言った。「昨夜は意外で、教訓でもあるから、覚えておいて」

「うん」理優は力を入れてうなずいた。「弥生さん、安心してください。絶対に覚えておきます。二度と犯さないようにします」

そう約束した後、理優はすぐに話題を変えた。「じゃ、お昼は何が食べたいですか?買いに行きましょうか」

「いらない」弥生さんはもうデザートを手に取っていた。「昨夜のことだったら、このケーキで十分だ」

彼女はその時お腹が空いたので、ケーキはちょうど良かった。

理優は彼女が自分が買ったケーキを食べたのを見て嬉しかった。最初は弥生さんに何を買えばいいのか分からなくて、これが美味しそうに見えて、見た目も素敵だったので買ったのだが、意外にも弥生さんの好みだった。

お昼を買うことはできないなら、これからは弥生さんにお菓子を準備をしましょう。母は言っていた、妊娠している時、お腹が空きやすいって。

幸い、彼女は先ほど素早く反応して、昨夜のことでごまかした。さもなくば見破られただろう。

パーティー

人々は集まって、ひそひそ話している。

「あのさあ、弘次が帰ってきたなんて、聞いたことないじゃない?いつ帰ってきたの?」

「詳しくは分からないけど、弘次は大変忙しかった。海外に行ってからは私たちとは連絡が途絶えていた。突然帰ってきたので、知らないのも当然だ」

人々が話しているが、主役がまだ来ていない。

「今夜瑛介は奈々を連れてくるかな?」

「多分.......連れないよな?瑛介は今弥生と一緒じゃな
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